相続人が知らない仮登記が残ってる!大阪府高槻市

2025.08.05
コラム

相続人が知らない50年前の仮登記!?
大阪府高槻市の空き家問題を解決

※画像はイメージ写真です

【株式会社Go不動産の買取り事例】

一件の切実なご相談をきっかけに、大阪府高槻市で【ある不動産問題】と向き合うことになりました。

「遠方にあって、もう10年も誰も住んでいない実家をどうにかしたい…」

空き家問題が深刻化する現代において、このようなご相談は決して珍しくありません。
しかし、この物件には、相続人ですら知らなかった「50年前の登記」という、大きな障壁が潜んでいたのです。
今回は、私たちがどのようにしてこの難問を解決し、お客様の長年の悩みを解消したか、そのリアルなプロセスを詳しくご紹介します。

ご相談の背景:遠隔地からの管理の限界

ご相談の主は、関東地方にお住まいのご子息でした。
お父様が亡くなられ、大阪府高槻市にあるご実家を相続されたものの、ご自身は遠方にお住まいのため、年に1度帰省するのがやっと。
物件はかなり老朽化が進んだ連棟長屋(テラスハウス)で、10年以上も空き家の状態が続いていました。

「家の管理や清掃、残された家財の撤去もままならず、このままではご近所にも迷惑がかかってしまう。」
「正直、もう売却して手放したいのです」

遠方からの不動産管理は、精神的にも金銭的にも大きな負担です。
建物の劣化、防犯上の不安、そして何より「どうすればいいのかわからない」という閉塞感。
ご依頼者様が売却を決意されたお気持ちは、痛いほど伝わってきました。

私たちは、お客様の想いに応えるべく、早速物件の調査を開始。
しかし、登記情報を取得したとき、事態は単純な相続・売却の話ではないことが判明します。

発覚した「50年前の亡霊」:休眠担保権仮登記の存在

登記簿には、昭和40年代に設定された「根抵当権設定仮登記」と「条件付賃借権設定仮登記」という、二つのあまり見慣れない登記が記載されていました。

「仮登記」という言葉から、「仮」だから大したことはない、と思われるかもしれません。
しかし、不動産取引の世界では、これは「売却の道に高くそびえ立つ一種の壁のようなもので、非常に厄介な存在」です。

簡単に言えば、この仮登記は
「将来、この不動産の権利を主張するための順番を、50年前に予約している」
という強力な効力(順位保全効)を持っています。

これが残ったまま売買を行うと、新しい買主様が代金を支払い所有権を得た後でも、50年前の権利者が現れて
「本登記」を実行すれば、最悪の場合、新しい買主様は、購入した不動産を失ってしまうリスクがあるのです。

当然、金融機関もこのリスクを看過しません。
このような登記が残る不動産を担保に住宅ローンを組むことは、まず不可能です。
つまり、この「50年前の亡霊」を抹消しない限り、この不動産は「売るに売れない、貸すにも貸せない」完全な塩漬け状態だったのです。

立ちはだかる壁に対する戦略

問題の深刻さをご依頼者様にお伝えし、仮登記の権利者についてお尋ねしましたが、
「登記されているお名前は、全く心当たりがありません」とのお返事。

相続人ですら知らない、50年も前の個人間の約束。
解決への道筋は、まさに暗闇の中から一本の糸を手繰り寄せるような作業から始まりました。

まずは提携する司法書士と連携し、解決策の検討に入りました。

【戦略1】2023年の法改正は使えるか?
2023年4月に施行された改正不動産登記法には、権利者が「解散した法人」である場合などに、供託金なしで休眠担保権を抹消できる画期的な制度が新設されました。
しかし、今回の権利者は「個人」。残念ながら、この最新の特例措置は検討の土台に上がりませんでした。

【戦略2】供託による抹消は可能か?
権利者の行方が分からない場合、債権額などを法務局に預ける(供託する)ことで、所有者が単独で抹消できる制度もあります。
これも有力な選択肢として考えましたが、その前にやるべきことがありました。

【戦略3】不動産売買の原点:徹底的な調査と人間本位の交渉
私たちは、まず「権利者をとにかく探し出す」という、最も地道で、しかし最も重要なアプローチを選択しました。
司法書士が、登記簿上の古い住所や氏名を頼りに、戸籍や住民票を丹念に追跡。
すると、仮登記の権利者ご本人様の現在の所在地を突き止めることができたのです。

解決の瞬間:人と人との繋がりは誠心誠意、50年の時を超えた信頼

早速アポイントを取り、権利者様のご自宅を訪問。
お会いできたのは、かなりご高齢の方でした。

50年も前のことで、ご本人も登記の存在をすっかり忘れていらっしゃいましたが、事情をご説明すると、快く抹消手続きにご協力いただけることになりました。

しかし、問題は手続きに必要な書類です。
印鑑証明書や登記済証(権利証)など、ご高齢の方がお一人で準備するには複雑で、大きな負担となります。

そこで私たちは、共に市役所へ同行し、一緒に市役所職員の説明を聞き、必要書類の取得を全面的にサポートさせていただきました。
一つひとつ丁寧にご説明し、不安を取り除きながら手続きを進めた結果、無事に抹消登記に必要な書類一式を揃えることができたのです。

【誠心誠意】私たち株式会社Go不動産が最も大切にしている姿勢です。
法的な知識やテクニックだけで解決するのではなく、人と人との繋がりを大切にし、相手の立場に立って行動することで、初めて円満な解決が生まれると信じています。

取引完了:長年の悩みから解放されたお客様へ

権利関係の整理に目途が立った段階で、ご依頼者様に進捗を詳細にご報告。
安心していただいた上で、弊社が買主となる売買契約を正式に締結させていただきました。

その後、ご依頼者様には相続登記に必要な書類をご準備いただき、司法書士に登記申請を依頼し、法務局へ「所有権移転(相続)登記」と「担保権等抹消登記」を申請。

すべての手続きが完了し、長年放置され、手が付けられないと思っていた不動産は、無事に売却という形で整理することができました。
こうした古い登記が残る不動産は少なくありません。
今回の成功は、同様の問題を抱える方々にとっても、大きな希望となると信じています。

ご依頼者様からは、
「遠方に住んでいる自分では、到底ここまでできなかった。」
「複雑な問題を一つひとつ解決してくれて、本当に感謝しています。肩の荷が下りました」
という、心からの安堵のお言葉をいただくことができました。

その「お困り不動産」、あきらめるにはまだ早いです!ご相談ください

今回の事例のように、古い不動産には、相続人ですら知らない複雑な権利関係が隠れていることが少なくありません。
「売れないだろう」と諦めて放置してしまうと、管理の手間やコストがかかり続けるだけでなく、特定空き家に指定されるなどの新たなリスクを生む可能性もあります。

株式会社Go不動産では、このような複雑な権利関係を抱える不動産の整理・売却サポートを得意としております。
「担保権(抵当権、根抵当権、譲渡担保など)」が抹消されていない不動産や、特約(設定や移転含む)登記からかなり時間が経過している「買戻特約」が付いたままの物件など、様々な状態の不動産の買取りや売却相談も積極的に受け付けております。


株式会社Go不動産では、以下の不動産の買取りを専門的に行っています。

【不動産の種別】

  • 中古戸建(特に長屋・連棟式住宅、文化住宅、狭小住宅)
  • 中古マンション
  • 土地(古家付き土地、空き地、借地権)
  • 収益物件(文化住宅、店舗付き住宅、賃貸中の物件)

【物件が抱える特徴・問題(「お困り不動産」)】

  • 物理的な問題を抱える物件
    • 再建築不可物件
    • 著しく老朽化・損傷している物件(雨漏り、傾き、火災・水害による損傷など)
    • ゴミ屋敷
    • 特殊な設備状況の物件(風呂なしなど)
  • 権利関係が複雑な物件
    • 相続関連の物件(相続登記未了、共有名義など)
    • 心理的瑕疵物件(自殺、孤独死などがあった物件)
    • 法的手続き中の物件(任意売却、成年後見人制度を利用した売却など)
    • 借地権付き建物
  • その他の特殊な事情を抱える物件
    • 長期放置された空き家
    • 増築部分が未登記の物件
    • 市街化調整区域にある物件
    • 隣地トラブルを抱えている物件

不動産買取りのGo不動産 出張査定・ご相談は「無料」です!

【お問い合わせ】株式会社Go不動産

  • TEL: 06-6155-4564
  • MAIL: info@go-fudosan.com
  • LINE: @gofudosan

【主な対応エリア】

  • 大阪府下全域
    • 大阪市24区、堺市7区、枚方市、高槻市、吹田市、豊中市、東大阪市、八尾市、寝屋川市、茨木市、岸和田市、和泉市など全域
  • 兵庫県
    • 神戸市内全域、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、明石市など
  • 奈良県
    • 奈良市、生駒市、香芝市、大和郡山市、大和高田市、天理市、橿原市、平群町、斑鳩町など

【買取り強化エリア】 高槻市、島本町、茨木市、摂津市、吹田市、豊中市、箕面市、池田市、守口市、寝屋川市、門真市、枚方市、交野市