大阪市旭区 昔ながらの通い帳で管理されている借地権
相続した大阪市旭区の実家「借地権付き連棟長屋」

※画像はイメージ写真です

「母が亡くなって、大阪市旭区にある実家を相続したんです。遺品整理もやっと終わったんですが…」
ある日、株式会社Go不動産に、60代の女性・O様からお電話がありました。
その声には、安堵と同時に深い悩みが感じられました。
「実は、土地が地主さんのもので…いわゆる『借地権付き建物』なんです。建物も昭和30年代に建てられた古い連棟長屋で。建物自体にガタがきていると思うのですが、売却なんてできるんでしょうか?」

相続をきっかけにご実家が空き家となり、その扱いに悩まれる方は少なくありません。
国土交通省の最新調査(令和6年空き家所有者実態調査)でも、空き家の取得経緯の約58%が「相続」であり、そのうち約77%が「特に対策を講じていない」まま相続を迎えているというデータがあります 。
O様もまさにそのお一人でしたが、O様の物件が特に困難だったのは、「借地権」と「連棟長屋」という二重の壁があったためです。
なぜ「借地権付き長屋」の売却は困難なのか?大阪特有の実情

なぜ、O様の実家(空き家)は売却が困難なのでしょうか?
それには「借地権」という権利の問題と、「連棟長屋」という物理的な問題、そして「大阪」という地域特有の事情が複雑に絡み合っています。
1. 権利の壁:「地主の承諾」という絶対条件
「借地権付き建物」とは、「建物は自分のもの、土地は地主様から借りているもの」という状態です。
この「借地上の建物」を売却するには、土地の所有者である地主様の承諾(譲渡承諾)が法的に必須であり、これがなければ売却活動すら開始できません。
2. 物理の壁:「連棟長屋」という構造
「連棟長屋」(テラスハウス)は、隣家と壁や柱を共有しています。
そのため、「自分の家だけを解体する」ことや「自由に建て替える」ことが非常に困難です。
この物理的な制約が、一般の購入希望者から敬遠される大きな理由となります。
3. 大阪特有の「借地」と「長屋」の多さ

この問題は、大阪の不動産市場において特に根深いものです。
総務省統計局の調査(平成20年住宅・土地統計調査)によれば、関西圏において大阪府の「所有地」の割合は50.7%と、兵庫県(61.6%)や京都府(59.0%)と比べても著しく低く、いかに「借地」という形態が大阪に根強く残っているかがわかります 。

さらに深刻なのは、この「借地」と「長屋」の組み合わせです。
同調査によれば、「長屋建」は「一戸建」に比べ、敷地が借地である確率が約2.6倍も高い(長屋建11.9%、一戸建4.5%)というデータがあります 。
O様が相続された「大阪市旭区」の「借地権付き連棟長屋」は、まさに大阪で不動産の売却や買取りを検討する上で、最も困難な条件が揃った「ワケあり物件」だったのです。
【ご相談内容】「通い帳」で管理する地主様との交渉
O様のご相談内容をさらに詳しく伺うと、売却を難しくするもう一つの要因が見えてきました。
それは、地主様との「関係性」です。
O様のお母様は、地代(土地の賃料)を銀行振込ではなく、毎月現金を持って地主様のお宅へ直接持参し、「通い帳」にハンコをもらう、という昔ながらの方法で支払いを続けていました。
これは、契約書だけで成り立つビジネスライクな関係ではなく、数十年にわたる個人と個人を繋ぐ「信頼」で成り立ってきた関係性をうかがうことができます。
O様ご自身も、お母様が亡くなった後、地代を持参する際に地主様から「今後この家をどうするか」と尋ねられ、「売却を検討している」と伝えたところ、「いいですよ」と口頭での承諾は得ていたそうです。
しかし、ここにお互いの意識の違いがある可能性も存在します。
地主様がO様に「いいですよ」と言ったのは、あくまで「O様が売却活動をすること」への同意かもしれません。
不動産取引として成立させるには、「次の新しい買主様」と「地主様」の間で、土地の賃貸借契約を締結する必要があります。
- 地主様が、借地権の譲渡を「正式に承諾」し、
- 「新しい賃貸借契約」をどのような条件(地代、更新料など)で結ぶのか
を、専門家が間に入って交渉し、法的に有効な形で確定させる必要があります。
この「通い帳」で築かれたデリケートな関係性を壊さずに、専門的な交渉をまとめること。
それこそが、借地権付き建物を売却する場合の大きなミッションとなるのです。
「口約束」を「売却可能な契約」へ
O様から正式にご依頼を受けた私たちGo不動産が最初に行ったのは、売却活動ではありません。
「この物件を法的に売却可能な状態に整えること」でした。
私たちはO様の代理人として、地主様のもとへご挨拶に伺いました。
O様が置かれた状況(相続したが住む予定がないこと、空き家として放置することも望んでいないこと)を丁寧に説明。
その上で、地主様にとっても、空き家のまま管理不全になるリスクよりも、新しい所有者様と良好な関係を築き、将来にわたって安定的に地代収入を得るメリットがあることをご提案しました。
結果、地主様もご納得くださり、新しい買主様との「土地賃貸借の条件や契約内容」を正式に決定することができました。
この、借地権付き建物の売却における最大の障壁である「地主様との交渉・新条件の確定」を、O様からのご相談開始後、2週間ほどで完了させ、売却活動をスタートすることができました。
ご相談から約2ヶ月半で取引完了!スピード感にご満足

地主様との交渉がまとまり、売却活動をスタート。
約2か月後にこの「借地権付き連棟長屋」を購入したいという希望者様が現れ、無事に売買契約、そして建物の引渡しが完了しました。
O様から最初のお電話をいただいてから、取引完了まで合計約2ヶ月半。
「相続でどうしていいか分からず、築古の長屋、更に土地は借地権だから時間もかかるだろうと覚悟していました。こんなに早く、しかも地主様とも円満に話がまとまって売却できるとは思せず、そのスピード感に本当に満足しています」
と、O様からは安堵のお言葉をいただくことができました。
大阪で相続した不動産でお悩みなら



ご実家を相続したものの、その扱いに悩み、「どうすればよいか分からない」(約13%)という方は少なくありません。
大阪市には「空家利活用改修補助事業」などもありますが 、これらは「売却を前提としたものでない」 ケースもあり、売却を希望する方のニーズと合わないこともあります。
当社は、O様の事例のような複雑な権利関係や、いわゆる「ワケあり物件」(事故物件など)の買取り・売却を最も得意としています。
大阪市内で相続したご実家や、管理にお困りの空き家のことなら、株式会社Go不動産にお気軽にご相談ください。

【株式会社Go不動産 買取強化エリア】 大阪市内全域
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