奈良県大和高田市 共有所有の文化住宅の難点

2025.10.10
コラム

相続した再建築不可の文化住宅
共有者トラブルと空室問題を抱えた収益物件

※画像はイメージ写真です

「誰も費用を出さない…」
父が遺したアパート経営の負担に、もう限界です。

「父が経営していた大和高田市のアパート(文化住宅)なのですが、どうにもできなくて…」
今回、株式会社Go不動産へご相談くださったのは、奈良県外にお住まいのE様。
10年ほど前に亡くなったお父様から相続した文化住宅の件で、長年頭を悩ませていらっしゃいました。
お話を伺うと、その収益物件が抱える問題は一つではありませんでした。

  • 権利関係の問題: 相続人はE様を含むご姉弟3名。
    不動産は「共有名義」で、E様の持分は3分の1。
  • 建物の状態: 建築は昭和30年代。
    8室中6室が空室で、長年リフォームもしていないためほぼ空室の状態(空室率75%)
    雨漏りや設備の故障が頻発。
  • 法律上の問題: 建物の前にある通路の幅が約1mしかなく、
    建築基準法上の接道義務を満たさない「再建築不可物件」
  • 共有者間の問題: 修繕費用の負担を巡り、他の共有者(弟様たち)が
    「お金は出せない」の一点張りで、協議が進まない。

家賃の振込先はE様の口座にあり、建物の管理やトラブル対応はすべてE様が一人で担っていました。
管理の負担と、誰も協力してくれない状況に限界を感じたE様が売却を打診したところ、弟様たちからは
「自分たちはお金は出さないが、持分に応じた売却代金がもらえるなら売却に反対はしない」との返答。
この言葉を受け、具体的な不動産売却に向けて動き出すため、弊社にご相談いただいたのです。

現地調査で浮き彫りになった、深刻な老朽化の実態

早速、私たちは奈良県大和高田市の現地へ向かいました。
築60年以上が経過した文化住宅は、外観からもその歴史を感じさせます。
問題は建物の内部でした。
E様から聞いていた雨漏りの箇所を確認すると、天井から壁にかけて黒いシミが広がり、一部の柱には湿気による腐食が見られます。
床の一部を調べると、シロアリ被害の可能性も否定できない状況でした。

このような老朽化した文化住宅は、雨漏りだけでなく、現代の入居者ニーズとの間に大きな隔たりがあるという、もう一つの深刻な問題が存在します。
建築された昭和30年代当時は当たり前であった「浴室が無い」「トイレが和式」といった設備は、現代の賃貸市場においては致命的なデメリットとなります。

たとえ家賃を相場より安く設定したとしても、入居者を見つけるのは極めて困難です。
安定した賃貸経営を目指すのであれば、キッチンやトイレ、浴室といった水回り設備を全面的に入れ替えるような大規模なリノベーションが必須となります。
しかし、そのリノベーションには当然、多額の費用がかかります。

私たちはE様に対し、このままの状態で一般の買主へ売却する場合、「契約不適合責任」のリスクが伴うことをご説明しました。
これは、売却後に現在確認ができているもの以外で建物などに欠陥が見つかった場合、売主であるE様ご姉弟が、買主に対して修繕費用の負担や契約解除などの責任を負う可能性がある、というものです。
建築年数が経つほどに、目に見えない建物の損耗や劣化が進み、思いもよらない欠陥が急に浮き彫りになったりする場合も少なくありません。

このリスクを回避するため、弊社から「現状のまま、弊社が買取りをさせていただく」というご提案をいたしました。
不動産会社による買取りであれば、契約不適合責任は免責となり、E様を始めとするご姉弟は、将来的なリスクを一切負うことなく不動産を手放すことができます。

ご提案を受け、E様は「一度、姉弟で話し合ってみます」と、少し安堵された表情でおっしゃいました。

相続不動産で揉めないために。知っておきたい4つの分割方法

今回のE様のケースは、相続した不動産を「共有分割(共有名義)」にした結果、問題が複雑化してしまった典型的な事例です。
ご両親の想いが詰まった不動産が、かえって家族間のトラブルの原因になるのは避けたいものです。
そうならないために、相続時の不動産の分割方法には、主に以下の4つがあることを知っておくことが重要です。

分割方法メリットデメリット
現物分割  不動産をそのまま相続できる。
手続きが比較的シンプル。
公平に分割するのが難しい。
不動産が複数ないと適用しにくい。
代償分割  特定の相続人が不動産を取得し、
他の相続人に現金を支払う。
不動産を相続する人に、十分な資力が必要。
換価分割  不動産を売却し、その代金を相続分に応じて分配する。公平に分割できる。現金化できるため、後のトラブルが少ない。
共有分割  不動産の名義を相続人全員の
共有にする。(今回の事例)
一見公平だが、売却や活用に共有者の同意が必要で、将来的なトラブルの原因になりやすい。

E様のように、意見がまとまらない、管理の負担を押し付け合ってしまう、といった状況では「換価分割」が最も有効な解決策となり得ます。
不動産を現金化し、法律で定められた持分通りに分配することで、公平かつ円満な解決が期待できるのです。

その「お困り不動産」、私たちにご相談ください

共有分割によるトラブルの相談は多く、奈良県大和高田市の文化住宅の事例は、誰にでも起こりえることです。

再建築不可、空室率が高い、共有名義など、複数の問題を抱えた不動産は、問題を先送りにすればするほど、資産価値が下がり、解決が困難になります。
相続した不動産の処分や活用方法でお悩みであれば、まずは専門家である私たち株式会社Go不動産にご相談ください。
仲介による売却が良いのか、あるいは不動産会社による買取りが適しているのか。
お客様の状況を丁寧にお伺いし、最善の解決策をご提案いたします。
査定やご相談はすべて無料です。
お客様の秘密は厳守いたしますので、安心してお問い合わせください。


株式会社Go不動産

株式会社Go不動産では、不動産仲介はもちろん、不動産買取りを積極的に行なっております。空室率の高いアパート、再建築不可物件、相続が絡む共有名義の不動産、大規模な修繕が必要な文化住宅など、一般の市場では売却が難しい「お困り不動産」の取り扱いを得意としています 。  

ご事情を抱えた物件(心理的瑕疵、ゴミ屋敷など)も全く問題ございません。お客様一人ひとりの状況に真摯に寄り添い、迅速かつ最適な解決策をご提案することをお約束します 。  

【お問い合わせ】 出張査定・ご相談はすべて無料「0円」です。お気軽にお問い合わせください。

TEL: 06-6155-4564(年中無休 9:00~20:00) MAIL: info@go-fudosan.com

【このような「お困り不動産」の買取を強化しています!】

  • 心理的瑕疵物件:自殺、殺人、孤独死、事件、事故などが起きた物件
  • 物理的な問題を抱える物件:ゴミ屋敷、雨漏り、シロアリ被害、傾きがある物件
  • 法律上の問題を抱える物件:再建築不可物件、セットバックが必要な物件
  • 権利関係が複雑な物件:相続登記未了、共有名義の物件
  • その他特殊な事情を抱える物件:長屋・連棟式住宅、文化住宅、狭小住宅

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