神戸市兵庫区 ひとり暮らし高齢者率が高い地域の危惧

2025.12.09
コラム

【市場分析】神戸市兵庫区における不動産の問題とリスク
空き家・相続・孤立死のデータの解析

※画像はイメージ写真です

関西エリアの空き家・相続・訳あり不動産などの再生事業を手掛ける株式会社Go不動産です。

本ブログでは、神戸市兵庫区を一つの具体的な実例として取り上げ、現在不動産オーナーおよび相続予定者の皆様が直面している構造的な市場変化について解説します。
感情論や精神論ではなく、客観的な統計データと法改正の動向に基づいた解説を通じて、皆様がご自身の状況に当てはめて考える際の視野を広げ、将来の資産管理に向けた情報を的確に整理する一助となれば幸いです。

1. 市場環境分析:神戸市兵庫区の特異性

「空き家率24.7%」が示唆する市場の飽和

総務省が公表した「2023年住宅・土地統計調査」のデータによると、神戸市兵庫区における空き家数は2万500戸、空き家率は24.7%に達しています。
特筆すべきは、この「空き家数」と「空き家率」がいずれも神戸市内の各区(全9区)の中で最も高い数値であるという事実です。
これは、兵庫区において住宅供給が需要を大きく上回っている「供給過多」の状態が、市内でも特に深刻化していることを示唆しています。

特に考える必要があるのは、市場流通に乗らない
「滞留在庫(借り手も買い手も付かないまま放置されている空き家)」の増加についてです。

神戸市の山手エリアに多い「傾斜地」や、歴史ある住宅密集地に見られる「狭隘道路(きょうあいどうろ:車が入れないような狭い道)」に立地する旧耐震基準の木造住宅や長屋は、現代の住宅ニーズとのミスマッチを起こしており、通常の仲介市場では流動化(売却)が困難になりがちな状況にあるという現実があります。

単身世帯の増加と「住まいの孤立化」

また、人口動態の変化も顕著です。

具体的なデータを見てみると、兵庫区の高齢者人口比率(65歳以上)は27.6%で神戸市9区の中で6番目(令和5年2月時点)と、一見すると突出して高いわけではありません。
しかし、より注目すべきはひとり暮らし高齢者(65歳以上)の比率です。
この数値は32.0%に達し、神戸市内で2番目の高さ(令和2年10月時点)を記録しています。

この「高齢者人口そのものよりも、独居率が高い」という現状は、家族による見守りが機能しにくい世帯が多いことを示唆しています。
これは後述する「孤独死リスク」を統計的に高める直接的な要因となっており、不動産という大切な資産を守り、その価値を維持し続けることが、構造的に難しくなっていることを意味します。

2. 法的リスク:資産保有コストの増大

不動産を「とりあえず保有しておく」という従来の資産防衛策は、2024年以降の法改正により、状況が大きく変化しています。
これからの管理方針を考える上で、以下の法的背景を知っておくことが重要です。

相続登記の義務化と過料規定

2024年4月1日より施行された改正不動産登記法により、相続登記が義務化されました。

  • 義務内容:不動産の取得を知った日から3年以内の登記申請
  • 罰則規定:正当な理由なく違反した場合、10万円以下の過料

この法改正は、所有者不明土地問題の解消を目的としており、過去に相続した物件にもさかのぼって適用される点に注意が必要です。
未登記のまま放置することは、権利関係を複雑にさせ、将来的に売却しようとした際の権利調整の費用(司法書士費用など)や、親戚全員の同意を取り付けるための手間と時間負担を大きく増加させる要因となり得ます。

「管理不全空き家」指定による増税リスク

改正空家対策特措法により、「管理不全空き家」という新たな区分が新設されました。
倒壊の危険がある「特定空き家」に至る前段階であっても、管理状況が悪ければ行政指導の対象となります。
勧告を受けた場合、固定資産税の住宅用地特例(課税標準額の1/6減額措置)が解除されます。

これにより、特例によって抑えられていた税金が本来の額に戻るため、固定資産税が大幅に増額(目安として約4倍程度)となる可能性があります。
「使っていない家」を保有し続けることに対して、経済的な側面から見直しが必要な時期に来ているのかもしれません。

3. 資産価値毀損リスク:事故物件化のメカニズム

物理的な老朽化以上に、不動産の資産価値に影響を与えるのが「心理的瑕疵(しんりてきかし)」です。
これらもリスクとして認識しておく必要があります。
特に、前述した「ひとり暮らし高齢者比率32.0%(神戸市内2位)」という兵庫区のデータは、これらのリスク発生確率と密接に関係しています。

孤独死による経済的損失と「独居」の相関

データによれば、孤独死(孤立死)の平均発見日数は約18日とされています。
不動産価値の観点から課題となるのは「死」そのものではなく、「発見までの期間」です。

兵庫区のように独居高齢者の割合が高いエリアでは、同居家族による早期発見が期待できません。
そのため、新聞が溜まっている、異臭がするといった「近隣住民からの通報」で初めて発覚するケースが多くなります。
結果として発見が遅れ、建物内部へのダメージ(体液の流出や汚染)が深刻化し、特殊清掃や大規模リフォームに多額の費用(数百万円規模)を要する事態を招きやすくなります。
また、いわゆる「事故物件」として告知義務が生じた場合、売却価格や賃料相場への影響は避けられません。

独居率の高さは、そのまま「事故物件化リスクの高さ」と読み解くことができるのです。

「ゴミ屋敷」と社会的孤立

また、認知機能の低下や社会的孤立による「セルフネグレクト(自己放任)」は、ゴミ屋敷化の直接的な原因となります。
独居環境では、生活環境の悪化を指摘したり、支援したりする家族がそばにいないため、本人の気力低下とともに事態が深刻化するまで放置されがちです。

残置物が堆積した物件は、悪臭や害虫による近隣トラブルだけでなく、漏電等による火災リスクを孕んでいます。
一般的な不動産仲介において、ゴミ屋敷状態の物件は購入希望者からの忌避感が強く、成約へのハードルが高くなるのが現実です。
高齢単身世帯の集積は、こうした「見えないリスク」が水面下で進行している可能性が高いことを示唆しています。

4. Go不動産が提案する「解決の選択肢」

以上の分析から、神戸市兵庫区、特に条件の不利な不動産を個人が従来の手法で管理・運用することには、様々なハードルが存在することが分かります。
もちろん、ご自身で管理を継続することも一つの選択ですが、解決策の手段を広げるために、株式会社Go不動産では以下のようなアプローチも提案しています。

戦略的買取による早期現金化という選択

市場で敬遠されがちな以下の物件に対しても、当社独自の再生ノウハウに基づき、直接買取という選択肢を用意しています。

  • 再建築不可物件・長屋
    隣地統合やリノベーションによるバリューアップ(資産価値の上昇)を前提とした活用。
  • ゴミ屋敷・残置物有
    売主様による撤去・処分を不要とし、現況のまま(あるがまま)引き継ぐ方法。
  • 事故物件(心理的瑕疵)
    特殊清掃や供養の手配を含めた包括的な対応。

複雑な権利関係の整理

相続登記未了や共有持分の解消など、法的な整理が必要な案件についても、提携司法書士と連携し、解決への道筋を一緒に探ります。
「負の遺産」となりつつある不動産について、法的ペナルティや維持コストが発生する前に、一度整理や処分の可能性を検討してみることも、健全な資産管理の一歩となるはずです。

株式会社Go不動産 会社概要

私たちは、データと実務経験に基づき、関西エリアの一般的に売却が困難な不動産課題に対して、お客様と共に最適解を考える不動産業者です。

【買取強化エリア・対象】

  • 重点エリア兵庫県神戸市全域(特に兵庫区、長田区、灘区等の空き家・長屋密集地域)、大阪市内全域

【対応エリア詳細】

  • 大阪府:大阪市24区(北区、都島区、福島区、此花区、中央区、西区、港区、大正区、天王寺区、浪速区、西淀川区、淀川区、東淀川区、東成区、生野区、旭区、城東区、鶴見区、阿倍野区、住之江区、住吉区、東住吉区、平野区、西成区)、堺市7区(北区、東区、堺区、南区、中区、美原区、西区)、吹田市、高槻市、島本町、箕面市、池田市、豊中市、茨木市、摂津市、守口市、寝屋川市、門真市、枚方市、交野市、四條畷市、大東市、東大阪市、八尾市、松原市、忠岡町、高石市、和泉市、泉大津市、羽曳野市、柏原市、藤井寺市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、富田林市、大阪狭山市、河内長野市、岬町など
  • 兵庫県(一部地域を除く):神戸市内全域(東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区、須磨区、垂水区、西区、北区)、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、明石市など
  • 奈良県(一部地域を除く):生駒市、奈良市、香芝市、大和郡山市、大和高田市、天理市、橿原市、平群町、斑鳩町など
  • 滋賀県(一部地域を除く):大津市、草津市、守山市、栗東市、野洲市、近江八幡市など
  • 京都府(一部地域を除く):京都市内全域、八幡市、長岡京市、大山崎町、京田辺市、精華町、久御山町、向日市、城陽市、宇治市など
  • 和歌山県(一部地域を除く):和歌山市、海南市など
  • その他近畿エリアもご相談ください。

【対応物件・得意分野】

  • 心理的瑕疵物件: 自殺、殺人、孤独死、事件、事故などが起きた物件
  • 物理的な問題を抱える物件: ゴミ屋敷、雨漏り、シロアリ被害、建物の傾きがある物件
  • 法的な問題を抱える物件: 再建築不可物件、セットバックが必要な物件、増築未登記の物件
  • 権利関係が複雑な物件: 相続登記が未了の物件、共有名義の物件、借地権・底地権
  • その他特殊な事情を抱える物件: 長屋・連棟式住宅、文化住宅、狭小住宅、市街化調整区域内の物件
  • その他: 任意売却、成年後見人制度を利用した売却など

お問い合わせ・査定依頼

資産の未来について考える際、まずは現状を正しく把握することが大切です。
市場分析に基づいた適正な査定や、どのような解決策があるのか、情報収集の一環としてお気軽にご相談ください。

TEL: 06-6155-4564 (受付時間:9:00〜20:00 / 土日祝も稼働中)

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