大阪府岸和田市 風呂無し・汲み取り・連棟長屋物件の売却依頼

2025.10.04
コラム

【売却困難】汲み取り・風呂無しの連棟長屋のスピード成約!

※画像はイメージ写真です

大阪府岸和田市で不動産を相続された50代の男性U様より、一件の不動産売却に関するご相談をいただきました。
それは、お母様が生前お住まいだったものの、今は空き家となっている不動産の売却に関するものでした。

「相続の手続きは済んだのですが、この家は特殊でして…。売れるものなら、相続にかかった費用の足しにしたいのですが、他の不動産会社に査定を依頼したところ、価格が付かないと言われて、取り扱いも厳しいと断られてしまったため、正直どうしたら良いか分からず困っています」

お電話口のU様の声からは、深いお悩みが伝わってきました。
建物は、昭和40年に建築された木造の「連棟式長屋住宅」。
いわゆるテラスハウスのような形式で、隣家と壁を共有しています。
U様は売却を急いではいないものの、このまま所有し続けることへの不安と、どうすれば良いか分からないという閉塞感を抱えていらっしゃいました。

しかし、この物件には、U様が漠然と感じていた不安を超える、売却を困難にする複数の課題が潜んでいたのです。

売却を阻む「三重苦」物件

U様からお預かりした物件は、昭和40年に建築された「連棟式長屋住宅」でした。
しかし、古い物件の生活様式と現代の不動産市場では大きな乖離があり、その乖離が壁となって立ちはだかります。
調査を進めると、この物件が抱える「三重苦」とも言える厳しい条件が明らかになりました。

課題1:建て替えが現実的に不可能な「連棟式長屋」

まず大きな問題点が、この物件が隣家と壁や柱、屋根などを共有している「連棟式長屋」であることです。
自分の所有部分だけを切り離して解体することは、物理的にも法律的にも非常に困難を伴います。
解体するには隣家の所有者の同意が不可欠ですが、古い物件を解体するとなると、残された建物の耐久値の問題もあり、同意を得ることは難しくなります。

さらに、敷地の面積が約10坪と非常にコンパクトであったことも、問題を深刻化させていました。
仮に、隣家の同意を得て解体ができたとしても、現在の建築基準法では、家を建て替える際に敷地の前面道路の中心線から2m後退(セットバック)し、さらに隣地との境界線から50cm以上離して建物を建てる必要があります。

これらの条件を10坪の敷地で満たそうとすると、建築可能なスペースはほとんど残らず、建て替えは現実的に不可能と言わざるを得ない状況でした。

課題2:原則再建築不可「建築基準法第43条第2項第2号道路」

次に、敷地の前面道路が「建築基準法第43条第2項第2号」に該当する道路であったことです。
少し専門的な話になりますが、建物を建てる敷地は、原則として建築基準法で認められた「道路」に2m以上接していなければならないという「接道義務」があります。

「第43条第2項第2号道路」は、この原則を満たしていないものの、周囲の状況などから特定行政庁が「安全上支障がない」と特別に許可を出せば、例外的に建築が認められる場合がある道路です。

しかし、あくまでその都度「許可」が必要であり、将来にわたって必ずしも再建築が保証されるわけではありません。
この「再建築困難」というリスクは、買主にとって大きなマイナス要因となります。

課題3:現代の生活様式との乖離「汲取式で浴室無し」

そして、現代の生活ではあまり見られなくなった「汲取式(くみとりしき)トイレ」で、「浴室が無い」という設備状況も、売却を難しくする大きな要因でした。
昔は近所の銭湯に通う文化がありましたが、現代において浴室は必須設備です。
また、汲み取り式トイレは衛生面や臭いの問題、定期的な汲み取り費用が敬遠されます。

前面道路に公共下水道が整備されておらず、水洗化するには浄化槽の設置などで100万円前後の工事費用がかかる可能性もあります。
買主が自ら住むことを考えた場合、水回りの大幅なリフォームは必須となり、その費用負担が購入への高いハードルとなってしまうのです。

現地調査で見えた可能性と売却戦略

後日、U様お立会いのもと、岸和田市の現地へ伺いました。
岸和田市は、歴史的な長屋が今も現役で使われている風情ある街です。

相続後もU様が時折手を入れて管理されていたおかげで、荒れ放題という状況ではありません。
室内の遺品整理は完了しており、適切な管理がされていたことが伝わってきます。

しかし、不動産の専門家の視点で見ると、経年による損耗劣化は着実に進んでいました。
土壁の一部がポロポロと剥がれ落ち、特にキッチン周りの床は湿気で弱り、歩くと少し沈む感覚があります。
人が住まなくなった木造家屋は、管理していても劣化の進行が早いのです。

これらの状況から、一般的なファミリー層向けの「仲介」による売却は長期化する可能性が高いと判断しました。
そこで私たちがご提案したのは、ターゲットを絞った売却戦略です。

  • 購入後に自分の手でリフォーム案を考えたい方
  • 賃貸物件としての活用を考える不動産投資家

このような層であれば、建物の古さや設備の状況を「素材」として捉え、価値を見出してくれる可能性があります。
U様も売却を急いではおらず、この方針で進めることにご同意いただきました。

予想外のスピード成約とお客様の声

「汲み取りで風呂無しなので、売れるまで数年はかかるかもしれない」

当初、U様は私たちにそのようにお話しされていました。
しかし、販売活動を開始すると、予想に反してすぐに反響があったのです。
内覧に来られたのは、まさに私たちがターゲットとして想定していた、ご自身でリフォームを手掛け、賃貸物件として収益を検討している不動産投資を営んでいる方でした。

建物の現状を包み隠さず説明し、法的な制約やリフォームの課題点もすべてご理解いただいた上で、購入をご決断。
結果として、わずか1ヶ月でご成約、そして引き渡しまで完了することができました。

お引き渡し後、U様から安堵の声をいただきました。
「他の不動産業者にも価格はつかないと言われて、正直なところ、売却ができるまで数年は覚悟していました。
汲み取りで風呂無しだったので…。こんなに早く売れるなんて思ってもみませんでした。本当に助かりました。」

長年の懸案事項が解決し、心から安堵されているご様子でした。

グラフで見る日本の空き家問題

今回の岸和田市の事例は無事に解決しましたが、日本全国で空き家問題は深刻化しています。
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、日本の空き家数と空き家率は年々増加の一途をたどっています。

総住宅数(万戸)空き家数(万戸)空き家率
1998年 (H10)5,02557611.5%
2003年 (H15)5,38965912.2%
2008年 (H20)5,75975713.1%
2013年 (H25)6,06382013.5%
2018年 (H30)6,24184913.6%
2023年 (R5)6,50290013.8%

(出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdfを加工して作成)

2023年には空き家率が13.8%と過去最高を記録し、およそ7戸に1戸が空き家という状況です。

そして、私たちが今回お手伝いした岸和田市の空き家率は13.82%と、全国平均と同水準にあり、決して他人事ではないことが分かります。

空き家を放置すると、建物の劣化による資産価値の低下だけでなく、倒壊の危険性、景観の悪化、不法投棄や放火のリスクなど、近隣住民へも悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに2023年12月に改正された法律により、管理が不十分な「管理不全空家」に指定されると、固定資産税が最大6倍になる可能性も出てきました。

管理が難しい不動産は、早期に売却を検討することが、ご自身と地域社会のためにも非常に重要なのです。

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