奈良県大和郡山市 一見して道路に接しているように見える再建築不可物件

2025.09.14
コラム

【奈良県大和郡山市の空き家売却事例】
専用通路に見えて実は再建築不可!相続した不動産の売却相談

※画像はイメージ写真です

「親から相続した奈良県大和郡山市の実家、空き家になっているけど、どうすればいいんだろう…」
「不動産の売却を考えているけど、手続きや査定が不安だ」
奈良県に限らず、近年、このようなご相談、特に相続をきっかけとした空き家の売却に関するお問い合わせが急増しています。
大切な資産だからこそ、納得のいく形で売却したいと考えるのは当然のことです。

しかし、不動産には一見しただけでは分からない「隠れた問題」が潜んでいるケースも少なくありません。
今回は、奈良県大和郡山市で実際にあった、専用通路に面しているのに「再建築不可」だった空き家の売却事例をご紹介します。
この事例は、奈良県内で相続した空き家の売却や実家の処分などをお考えの方にとって、非常に重要な知識になる可能性があります。
ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

一見すると何の問題もない、手入れの行き届いたご実家

今回、私たち株式会社Go不動産にご相談くださったのは、奈良県大和郡山市にあるご実家を相続された60代の男性A様でした。
「相続したものの、自分は別の場所に住んでいるため、空き家になっている実家の査定をお願いしたい」
というご依頼です。

早速、現地調査の準備に取り掛かりました。
対象の不動産は、昭和60年代に建築された木造2階建ての一戸建て住宅。
お隣の敷地との間には高低差がありましたが、擁壁はしっかりと施工されており、建物の外観も非常に綺麗な状態でした。
空き家になってからまだ半年ほどしか経過しておらず、室内はまだ家財の整理中ではありましたが、お母様が丁寧に使われていたことが一目でわかるほど、良好な状態が保たれていました。
水回りや各種設備には経年による損耗こそ見られるものの、全体として大切に維持管理されてきたことが伺える物件でした。

A様のお話によると、この土地はもともと一筆の広大な土地で、そこを新築分譲地として6区画に分け、各区画に接した専用通路を設けて建売住宅として販売されていたものを、当時お父様が購入されたとのことでした。
敷地の前には車が余裕をもって通行できる専用通路があり、駐車場も確保されています。

A様は、一般的な一戸建て住宅として何の問題もなく売却でき、当然、将来的な建て替え(再建築)も可能だと考えていた物件でした。
しかし、私たちの詳細な調査によって、この不動産が抱える深刻な問題が明らかになったのです。
それは、この建物が「再建築不可物件」であるという衝撃の事実でした。

調査で判明した「再建築不可」の理由

不動産の売却査定において、現地で物件の状態を確認することはもちろん重要ですが、それ以上に不可欠なのが、役所調査や法務局での権利関係調査といった「机上調査」です。
私たちは現地へお伺いする前に、必ずこの机上調査を徹底的に行います。

今回も大和郡山市役所の建築指導課などで調査を行ったところ、まず、敷地の前にある専用通路が【建築基準法上の道路に該当しない】という事実が判明しました。
建物を建てる、あるいは建て替えるためには、その敷地が「建築基準法で定められた道路」に2メートル以上接していなければならない、という「接道義務」があります。
一見、道路に見えても、法律上の道路として認められていなければ、この要件を満たすことができず、再建築ができないのです。

よく、新築分譲地が「コの字型」になっている分譲敷地では、私道部分を「位置指定道路」として申請し、建築基準法第42条第1項第5号道路として認められることで接道義務を満たすケースが多く見られます。
しかし、今回の通路は、その位置指定道路ですらありませんでした。
では、なぜこの建物は建築することができたのでしょうか。
さらに調査を進めていくと、驚くべき事実が明らかになりました。

この分譲地にある6区画の建物は、それぞれが一戸建てとして建築申請されたのではなく、6戸すべてを一つの建物とする「連棟式長屋住宅」として建築確認申請が行われていたのです。
平成初期頃まで、本来であれば一戸建ての建築許可が得られないような土地に対し、建築確認を取りやすくするために、形式上は長屋として申請を行い、実際には各戸が独立した一戸建てとして建築するという、いわば「虚偽の申請」を行う業者が存在した時代がありました。
今回の物件は、まさにその手法で建てられたものだったのです。
つまり、法律上は6戸で1つの建物とみなされているため、単独での建て替えが不可能、すなわち「再建築不可物件」という扱いになってしまうのです。

正しい査定と売却プランのご提案

現地でお会いしたA様に、机上調査の資料、市役所での調査結果、現地での簡易測量データ、そして各部の写真を一枚一枚お見せしながら、ご実家が再建築不可物件である理由を丁寧にご説明しました。
ご自身の家の前の通路が法律上の道路ではないこと、そしてご実家が法律上は長屋の一部であるという事実に、A様は
「まさか建て替えができない土地だとは思ってもみなかった…」
と、大変驚かれたご様子でした。

実は、このような虚偽申請による再建築不可物件は全国各地に点在しており、特に奈良県内では、私たちが過去に取り扱った不動産査定の中でも同様のケースに遭遇した経験があります。

ある程度の相場を調べていらっしゃったA様にとって、再建築ができないという事実は、想定していた売却価格を大きく下回る可能性を示唆するものでした。
私たちは、この不動産が「再建築不可」であることを前提とした上で、市場で一般の購入希望者を探す「仲介」での売却価格と、私たちが直接買主となる「買取」の場合の査定価格、二つの選択肢を提示させていただきました。
A様は、「少し考えさせてください。1週間ほどでまた連絡します」と仰り、その日はお帰りになりました。

後日、A様からご連絡がありました。
この1週間で、他の不動産会社2社にも相見積もりを取られたそうです。
しかし、1社は電話で再建築不可の事情を伝えただけで、調査もせずに非常に低い価格を提示してきたためお断りし、もう1社はすぐに現地に来てくれたものの、役所調査などは行っていなかったため、A様から再建築不可の事実を伝えると「うちでは買取できない」と断られてしまったとのことでした。
専門的な知識や取り扱い経験があったとしても、問題を抱えた不動産の価値を正しく見極め、売却へと導くことは非常に困難なのです。

「買取保証付き売却」で不安を解消し、早期売却へ

A様のご希望は、
「売却を特別急いでいるわけではないが、もし売却活動が長引いて、いつ売れるか分からない状況になるのは精神的にも不安だし困る」
というものでした。

そこで私たちは【買取保証付き売却】というプランをご提案しました。
これは、まず一定期間(今回は3ヶ月間)、「仲介」として販売活動を行い、少しでも高く売れるように最大限の努力をします。
そして、万が一その期間内にご成約に至らなかった場合には、あらかじめお約束した金額で弊社が直接買取りをさせていただく、というものです。

このプランには大きなメリットがあります。
まず、仲介で高値売却を目指せる可能性があること。
そして、売却の最終期限が定まることで「いつ売れるか分からない」という精神的な不安から解放され、売却までのスケジュールが明確になることです。
最悪のケースでも弊社が買い取るという保証があるため、資金計画も立てやすくなります。
また、買取に移行した場合、弊社が買主となるため仲介手数料は一切かからず、さらに売却後の建物の不具合などに対する責任(契約不適合責任)を負う必要がなくなるという利点もあります。

A様はこのご提案に納得され、【買取保証付き売却】で進めることを決断されました。
結果として、販売活動開始から約1ヶ月ほどで、この物件の条件を理解し、購入を希望される買主様が見つかり、無事に仲介でのご成約となりました。
A様からは
「問題物件と言われたときはどうしようかと思いましたが、結果的に早く、そして納得のいく形で売却できて本当に良かったです!」
と、安堵の表情でお言葉をいただくことができました。

まとめ:相続した空き家・不動産売却は専門家への相談が鍵

実家の空き家問題は、弊社にご相談いただく案件の中でも非常に多く、全体の約3割を占めています。
そして、その多くが今回の事例のように、連棟式長屋住宅、再建築不可物件、借地権付き建物など、
「何かしらの問題を抱えている」
ケースがほとんどです。

ご自身の不動産がどのような状況にあるのか、正確に把握されている方はごく少数です。
だからこそ、不動産売却、特に相続した空き家の売却を検討される際には、表面的な査定だけでなく、法的な側面まで踏み込んで徹底的に調査し、その不動産が持つ本来の価値と潜在的なリスクを正確に見極めることができる専門家への相談が不可欠です。

私たち株式会社Go不動産は、お客様一人ひとりのご状況やご希望を丁寧にお伺いし、数多くの選択肢の中から最適な売却プランをご提案することを常に心掛けております。
関西エリア、特に大阪・兵庫・奈良で「相続した不動産」「実家の売却」「空き家買取」などでお困りの際は、ぜひ私たちにお任せください。
売却相談や出張査定はすべて無料「0円」で行なっております。
もちろん、他社との相見積もりも大歓迎です。
まずは、あなたの状況をお聞かせください。私たちが、最善の解決策をご提案いたします。


株式会社Go不動産について

株式会社Go不動産は、関西エリアを中心に、不動産仲介および不動産買取業務を行っております。
私たちは様々な事情から売却が難しいとされる、いわゆる「訳あり物件」の再生と流通を専門とする不動産会社です。

長年放置され、ゴミ屋敷となってしまったご実家。
孤独死や自殺など、悲しい出来事が起きてしまった心理的瑕疵物件。
そして、今回の事例のような、法律上の問題で建て替えができない再建築不可物件や、権利関係が複雑な相続不動産など、他社で断られてしまったような「お困り不動産」こそ、私たちの真価が発揮される舞台です。

私たちは、どのようなご事情を抱えた不動産にも真摯に向き合い、お客様のお気持ちに寄り添いながら、豊富な知識と経験を活かして最善の解決策を導き出します。

また、相続、遺言書、身元保証などに携わる弁護士・司法書士・行政書士の先生方や、福祉関係の法人様からのご依頼も心よりお待ちしております。
お客様が抱える不動産のお悩みを、ぜひ私たちにご相談ください。

【このような「お困り不動産」の買取を強化しています!】

  • 心理的瑕疵物件: 自殺、殺人、孤独死、事件、事故などがあった物件
  • 物理的な問題を抱える物件: ゴミ屋敷、雨漏り、シロアリ被害、建物の傾きがある物件
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  • 特殊な売却: 任意売却、成年後見人制度を利用した売却など

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【奈良県・買取強化エリア】

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