大阪府内で空き家を所有した場合の対応策と活用方法
大阪の空き家問題
大阪府内で、相続や転勤などによって、思いがけず空き家を所有することになった。
そんな時、何から手をつければ良いのか、途方に暮れてしまう方も少なくないでしょう。
しかし、空き家は放置すればリスクとなる一方、適切な対応をとれば資産として活用できる可能性を秘めています。
本記事では、大阪府の空き家の現状とその多様な背景を踏まえ、所有することになった場合の具体的な対応策と活用方法について、網羅的に解説します。
大阪の空き家問題、その深刻さと多様な背景
まず、大阪府の空き家問題がどれほど深刻かを見てみましょう。
2023年に公表された総務省の調査(速報値)によると、大阪府内の空き家率は17.2%にのぼり、全国平均を上回る高い水準です。これは、府内に約85万戸もの空き家が存在することを意味します。
しかし、一口に「大阪の空き家」と言っても、その原因や特性は地域によって大きく異なります。府内の空き家は、主に3つのタイプに分類できます。
1. 都市型空き家(大阪市など都心部・密集市街地)
大阪市のような利便性の高い都心部や、戦前から続く密集市街地にも空き家は多数存在します。
これらの地域では、相続が発生したものの、所有者がすでに別の場所に居住していたり、相続人が多数いて権利関係が複雑化していたりするケースが目立ちます。
また、土地が狭く、現在の建築基準法では建て替えが困難な「再建築不可物件」であることも少なくありません。
「売るにも売れない、貸すにも貸せない」まま、固定資産税だけを払い続けている、非常にもったいない状態の空き家です。
2. オールドタウン型空き家(郊外のニュータウンなど)
高度経済成長期に開発された千里ニュータウン(豊中市・吹田市)や泉北ニュータウン(堺市・和泉市)などの郊外住宅地では、入居した世代が一斉に高齢化の時期を迎えています。
子世代はすでに独立して都心部などに居を構えているため、親が亡くなった後の実家がそのまま空き家になるケースが急増しています。
建物自体の老朽化と、コミュニティ全体の高齢化が同時に進行しており、新たな若い世代をどう呼び込むかが大きな課題となっています。
3. 過疎型空き家(府南部・山間部など)
岬町や阪南市といった府の南部や、河内長野市などの山間部では、人口減少と高齢化がより深刻に進んでいます。
そもそも地域の働き手が少なく、若者世代の流出が続いているため、空き家の買い手や借り手を見つけること自体が困難です。
地域の活力が低下し、空き家の管理を担う人手も不足しているため、放置されて危険な状態になっている物件も少なくありません。
ご自身の所有する空き家がどのタイプに当てはまるのかを理解することが、適切な対策を考える第一歩となります。
放置は絶対NG!空き家がもたらす4つのリスク
「誰も住んでいないし、固定資産税さえ払っていれば大丈夫」と考えるのは大きな間違いです。
空き家を放置することには、以下のような深刻なリスクが伴います。
- 経済的損失(資産価値の低下と税金の増額): 家は人が住まなくなると、換気不足による湿気や老朽化で急速に傷みます。
資産価値は下がる一方、2023年12月に改正された「空家等対策特別措置法」により、管理が不十分な「管理不全空家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例(最大1/6に減額)が解除され、税金が最大6倍になる可能性があります。
さらに危険な「特定空家」に認定されれば、50万円以下の過料が科されることもあります。 - 倒壊・破損のリスク: 老朽化した建物は、台風や地震で倒壊したり、屋根材や外壁が飛散して近隣の家屋や通行人に被害を与えたりする恐れがあります。
その場合の損害賠償責任は、当然所有者が負うことになります。 - 防犯・防災上のリスク: 人の出入りがない空き家は、不法侵入や放火、不法投棄のターゲットになりやすくなります。地域の治安を悪化させる原因にもなりかねません。
- 近隣トラブル: 雑草の繁茂、害虫の発生、景観の悪化などは、近隣住民との関係を悪化させる大きな要因です。
管理責任を巡って、深刻なトラブルに発展するケースも少なくありません。
どうすればいい?空き家所有者のための具体的な選択肢
では、空き家を所有した場合、具体的にどのような選択肢があるのでしょうか。
ここでは、大きく5つの方法をメリット・デメリットとともにご紹介します。大阪府や各市町村では、これらの選択肢を後押しする多様な補助金制度(※条件等確認要)を用意しています。
選択肢1:管理する
当面、売却や活用の予定はないものの、放置は避けたい場合の基本的な選択肢です。
- メリット: 将来の活用(自己使用、賃貸など)の選択肢を残せる。
- デメリット: 維持管理費用(固定資産税、火災保険料、修繕費、光熱費など)がかかる。
- 費用の目安: 年間数十万円〜。
- 公的支援: 遠方で管理が難しい場合、シルバー人材センターや民間の管理代行サービスを利用する方法もあります。
選択肢2:売却する
最もシンプルで、所有者の負担をなくす方法です。
- メリット: 維持管理の手間と費用から解放される。まとまった現金を得られる。
- デメリット: 思い入れのある家を手放すことになる。売却価格が期待より低い場合もある。
- 手続き: 不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結んで買主を探すのが一般的です。
- 公的支援: 各市町村が運営する「空き家バンク」に登録するのも有効です。
「オールドタウン型」の空き家などは、子育て世代向けの改修補助金とセットにすることで、新たな買い手が見つかりやすくなる可能性があります。
選択肢3:解体して更地にする
建物の老朽化が激しく、「過疎型」などで活用が難しい場合に有効です。
- メリット: 倒壊などのリスクがなくなる。土地として売却や活用がしやすくなる場合がある。
- デメリット: 解体費用がかかる(木造で1坪あたり3〜5万円程度が目安)。更地にすると固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、税額が上がる。
- 公的支援: 大阪府内の多くの市町村(大阪市、堺市、東大阪市など)で、解体費用の一部を補助する制度があります。
金額や条件は市町村によって異なりますので、必ず確認しましょう。
選択肢4:賃貸に出す
家賃収入を得て、資産として活用する方法です。特に交通の便が良い「都市型」の空き家では有力な選択肢です。
- メリット: 継続的な収入源になる。人に住んでもらうことで家の傷みを防げる。
- デメリット: 入居者募集や管理の手間がかかる。初期投資としてリフォーム費用が必要になる場合が多い。
- 公的支援: 賃貸活用を目的としたリフォームに対し、多くの自治体が補助金を出しています。
例えば大阪市では「空家利活用改修補助事業」があり、多額の補助が受けられる可能性があります。
若者・子育て世帯向けに貸し出すことなどを条件に、補助率がアップする制度も多く見られます。
選択肢5:その他の方法で活用する(リノベーション)
近年、空き家を独自のアイデアで再生させる動きが活発になっています。
- メリット: 地域貢献に繋がり、社会的な価値を生み出せる。独自の事業を始めるきっかけになる。
- デメリット: 事業計画や専門知識が必要。初期投資が大きくなる可能性がある。
- 活用事例:
- 民泊・ゲストハウス: 観光客の多い大阪では有力な選択肢。
ただし、住宅宿泊事業法や各市の条例(営業日数制限など)の確認が必須です。 - シェアハウス・グループホーム: 若者や高齢者向けの住居として提供。
- カフェ・店舗: 「オールドタウン型」の地域で、新たなコミュニティの拠点に。
- コワーキングスペース・アトリエ: 「都市型」の空き家をクリエイター向けの仕事場に。
- 民泊・ゲストハウス: 観光客の多い大阪では有力な選択肢。
困ったらまず相談を!大阪府の充実した相談窓口
「どの選択肢が自分に合っているかわからない」
「補助金の申請方法が複雑で…」
そんな時は、一人で悩まずに専門家や行政の窓口に相談することが第一歩です。
大阪府では、府庁の建築指導室をはじめ、府内すべての市町村に空き家専門の相談窓口が設置されています。
また、NPO法人や各種専門家団体(宅建士、建築士、司法書士など)と連携した無料相談会も定期的に開催されています。
まずは、お住まいの、あるいは空き家が所在する市町村のウェブサイトで「空き家 相談」と検索してみてください。法的な問題から、具体的な活用方法まで、きっとあなたの状況に合ったアドバイスが見つかるはずです。
大阪府内で空き家を所有することは、確かに多くの課題を伴います。
しかし、その背景にあるリスクを正しく理解し、ご自身の空き家のタイプに合った対策を考え、行政の支援制度を上手に活用すれば、その可能性は大きく広がります。
放置という最悪の選択を避け、「管理」「売却」「解体」「賃貸」「活用」という5つの選択肢の中から、ご自身の状況や想いに最も合った方法を見つけ出すこと。
それが、大切な資産を守り、未来へ繋ぐための最も重要な一歩となるでしょう。
株式会社Go不動産(ゴーフドウサン)は、どんな物件でも買取りや売却のご相談承ります!
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